埼玉大学工学部機械工作研究室

埼玉大学工学部 機械工作研究室

研磨加工中の砥粒流動、加工物運動状態の解明

 研磨加工では、定盤に対して加工物を相対運動させ、砥粒による微細な表面除去を連続的に与えて平滑な面を与えます。これまでの研磨関係の研究では、加工効率に対する定盤上での加工物の加減速や軌跡、加工圧や修正輪形状による砥粒流動の変化は解明されていませんでした。そこで本研究室では、定盤を透明素材で置き換え、加工物の運動や砥粒の流れを撮影して観察可能なスケルトン加工機を開発し、これを用いて現象の解明を行っています。これまでに定盤の溝形状による加工物の急な加減速や、修正輪溝形状の差異による砥粒濃度分布の変化が明らかとなっており、今後効率の良い研磨加工の実現が可能になると期待されています。(担当:堀尾健一郎、山崎次男)

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医療用材料の超精密加工技術の開発

手術用内視鏡をはじめとする高度医療デバイスの量産では、生体安全性の高いポリサルホン樹脂や、ステンレス鋼、プラチナ合金を対象とした精密切削が広く用いられつつあります。付加価値が非常に高く、かつ生産数が限定された多品種少量生産のこれらの部品に対して、金型等を使用せず、複合加工機を用いて素材から直接完成形状を造形することが求められています。このような製造において、直径0.3mm以下の微細穴加工や、薄物加工、バリ発生の厳しい抑制といったテーマで製造技術、加工条件、新しい工具形状の開発といったテーマでの研究を現在進めています。

(担当:堀尾健一郎、金子順一、山崎次男)

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多軸制御切削加工における工具姿勢計画法の開発

 近年のマシニングセンタや複合加工機においては、切削工具の刃先位置以外に、工具の姿勢を変更可能な多軸制御機構が一般的に搭載されるようになっています。従来のCAMソフトウェアアルゴリズムでは、工具経路の生成後、干渉の生じない姿勢を決定して工作機械への指令値をポスト処理によって導出していたため、機械の軸構成に起因する急加速や特異点の通過を避けることが難しい状態でした。これに対して本研究室では、機械座標系上での姿勢決定を行うための高速な干渉検出技術をGPGPUと呼ばれる大規模並列演算手法を用いて実装し、様々な用途に合わせた工具姿勢計画法を提案しています。

(担当:金子順一)

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数値制御切削加工(NC加工)を対象とした切削抵抗予測技術の開発

 航空機の構造材に代表される高効率加工においては、素材の大部分を切削によって除去する工程を効率化するため、工具破損や加工対象物変形の発生しない範囲でのできるだけ速い工具送り速度条件の設定が求められています。工具位置ごとにめまぐるしく変化する加工対象物の除去状態を推定し、短時間で切削抵抗を推定することはこれまで難しいと考えられてきました。これについて本研究室では、従来実現が難しいと考えられてきた同時多軸制御加工を対象とした干渉領域推定を、GPGPU(大規模並列演算処理)ハードウェア上で高速に実施する幾何処理エンジンを開発し、実時間での切削抵抗予測を実現しています。

(担当:金子順一)

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大規模並列演算技術(GPGPU)の加工/生産シミュレーションシステムへの展開

 工場内部のプラントに対するメンテナンスでは、対象物と移動物体の干渉を高速に検出し、衝突のない経路や物体の姿勢を計画する必要があります。また、同時多軸制御加工においても、NCプログラム内でのミスにより、思わぬ部分に残った削り残しが工具やホルダと干渉して加工が失敗する場合があります。これらの大規模な離散幾何情報の処理にあたって、Voxel形状表現や大規模点群情報を対象とした干渉判定方法の開発を行っています。

(担当:金子順一)

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